【おかえりモネ第8週】大人たちの辛さと、子どもたちの辛さと【それでも海は】
今週のおかえりモネは本当に見ていて胸が締め付けられます。
昨日も感想でもと思ったのですが、整理しきれないまま今日の放送を迎えてしまいました。
ということで今日もネタバレ満載です。
昨日のネタバレもあります。
分けて書いています。
7月7日放送分
まずは昨日の書きかけていたことをざざっと。
新次さん(りょーちんのお父さん)は震災前に家のあった場所にいました。
そこでお酒を飲んでいたようです。
亜哉子さん(モネのお母さん)と一緒にアルコールを辞めるため病院へ通っていましたが、飲んでしまったようですね。
一度依存状態になってしまったアルコールを断つことは本当に難しいようなので……。
病院に付き添っていた亜哉子さんの気持ちを考えると切ないです。
「新次が海に落ちるはずがない」と言い切る耕治さん(モネのお父さん)は格好良かったです。
5年前の回想です。
新次さんが震災で失った新しい船の借金は残ったままです。
新次さんは船も、そして最愛の美波さん(りょーちんのお母さん)も失ってしまいました。
意気消沈とした新次さんに、耕治さんは自分の働いている銀行でお金を貸せるようにするから新しい船を持てと励まします。
耕治さんはすでに失った船の莫大な借金を抱えた新次さんが、また新しい船を持ってもきちんと返済できるように計画を立ててありました。
審査を絶対に通してみせると言い切ります。
普段は調子のいい耕治さんですが、さすがです格好良すぎます。
新次さんが、耕治さんと美波さんは頭がいいと言っていたのが垣間見えますね。
最初は無理だできないと言っていた新次さんですが、最後にはよろしく頼むと耕治さんに言いました。
厚い信頼関係です。
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耕治さんはスーツのボタンを留めながら廊下を急いでいます。
どうやら耕治さんの働いている銀行のようです。
そこには新次さんがやってきていて、銀行の方と面談をしていました。
そこで耕治さんの知らなかった、「新次さんが1000万円ほどの連帯保証人になっている」事実を知ります。
これはダメですね。
これでは審査は通りません。
新次さんには既に莫大な借金があり、その上決して少なくない額の連帯保証人になっている。
どうして隠していたと怒る耕治さんに、大した金じゃないだろうと笑う新次さん。
俺が1回船に乗ればすぐに~といつものセリフを言いますが、耕治さんは「おまえは金のことを知らなすぎる」と。
「船に乗れと言ったのはおまえだろう」
「自分の船じゃなきゃ意味がない」
そう言う新次さんの気持ちは、実はわたしには掴みにくいものだったりします。
きっとわたしは耕治さん側の考え方なので。
モネのお祖父ちゃんの言う、「漁師を知らない」人間だからでしょうか。
これは色々な立場、職業、全てのことに当てはまると思うのですが、「あなたは知らないから」と言われてしまうと、寄り添おうとする気持ちすら否定されたような気がして寂しくなったりします。
わたしの勝手なあれですが。
寄り添う気持ちも「いらない」のかもしれないですし、難しいですね。
そこから耕治さんと新次さんは離れていってしまうことになりますが、大人たちの苦悩を目にしている子どもたちの気持ちを考えると辛いです。
おかえりモネは、モネの視点に立って見るようにしています。
主体性の見えにくいモネなので、こういった部分は本当に傍観者であるしかなく、見ていても心が痛いです。
モネの立場だったとしても、できることなんてないんですけどね。
島パートだけで終わるのかと思っていたら、最後に菅波先生が出てきました。
どうやら文献を読んでいて縄跳びのことが気になったようです。
そういう時に電話してきてくれるようになったなんて、本当にモネと菅波先生はゆっくりといい関係を築いていっているんですね。
それが恋愛に発展してもしなくても、とてもすてきなものだと思います。
モネの声色で何かあったのかを察し、知らないから建設的なことは言えないが、知らないからこそ聞くことができる、と声を掛けられる菅波先生が好きです。
近すぎず遠すぎずな距離感が心地よいと思いました。
明日はりょーちんが帰ってくるかな?
りょーちんの気持ちを想像すると胸が痛みます。
あ、全然ざざっと書けてなかったですね。
結構がっつり……。
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7月8日放送分
モネとみーちゃんは、6年前にりょーちんと3人で夕飯を食べていた部屋に座っています。
あの楽しかった、美波さんもいた夕食ですね。
そこから大人たちを見守っています。
お風呂に入った新次さんはさっぱりした顔をしています。
昨日の放送でモネのお祖父ちゃんが「熱湯につけるか」と呟いていましたが、どうやら熱湯風呂は免れた様子。
良かったです。
新次さんの正面に座ったのは耕治さん。
隣に亜哉子さんと、お祖父ちゃんもいます。
新次さんの隣には、美波さんの声が遺った携帯電話が寄り添うように置いてありました。
どうしてこんなことをしたのかと新次さんに問う耕治さん。
アルコールを断つため病院にも通い、土木の仕事もきちんとして、少しずつだけれど返済もしていたじゃないか、と。
新次さんが病院に通っていたことを耕治さんも知っていたのですね。
亜哉子さんの不倫疑惑の時には知らない様子に見えたので、今回のことで聞いたのでしょうか。
新次さんは海には関係ない仕事ですが頑張って働きながら、お金も返していたんですね。
それなのにどうして、と。
亜哉子さんの胸中を察するにあまりありますね。
無力感にさいなまれているんじゃないでしょうか……。
何かあったのか、と聞くお祖父ちゃんの声色がとても心に沁みました。
応える新次さんは本当にしっかりとした声で、アルコールもすっかり抜けているようです。
「5年は長いですか」と。
「5年も経つのにおまえはまだそうなのかと言われるけど、5年は長いのか」
言葉もありませんでした。
5年、と一言で言うと、長いのかもしれません。
でも感じ方は人それぞれ。
年月を感じる対象によっても全然変わってくると思います。
このあたりの新次さんの気持ちは、もしかしたらお祖父ちゃんがよくわかるのかもしれませんね。
お祖父ちゃんも震災が原因ではありませんが、心から愛した、大切なお祖母ちゃんを失っていますから。
大事な人の喪失はりょーちんにも当てはまりますが、立場が違いますもんね。
新次さんがお酒を飲んで家のあった場所にいた原因は息子のりょーちんでした。
りょーちんから新次さんに「メカジキを50本あげた」と嬉しそうな声で連絡があったというのです。
「だから港まで見に来てよ」と。
船の中でひとり、家族写真を見ながら嗚咽していたりょーちんを思いだしました。
自分が頑張る姿を見せて、新次さんを元気づけたかったんじゃないかな、とか。
また新次さんの、あの笑顔をみたかったんじゃないかな、とか。
想像して、涙が止まりませんでした。
新次さんも嬉しかったようです。
見に来てくれなんて子どものようなことを言って。
でもその声がもう子どもじゃないんだよな。
俺に似て筋がいいんじゃないか。
本当なら一杯やりながら、そんなことを言い合う美波が居ないんだ、と。
慟哭です。
美波さんは本当に本当に愛されていたんですね。
新次さんとりょーちんを照らしていた太陽のような女性だったんだと思います。
そんな新次さんの様子を、庭からりょーちんが見つめていました。
どんな気持ちだったんでしょう。
りょーちんは勢いよく大人たちのところへ行き、カラオケをしようと言い出します。
機械を引っ張り出したところで耕治さんが止めに入りますが、りょーちんは耕治さんを突き飛ばして叫びます。
本当ならお酒を飲んで大漁を祝いたいけれど、自分はまだ未成年だ。
だからカラオケぐらいいいでしょう、と。
こんなりょーちんを見るのは初めてで、びっくりしました。
涙を流しながら、全身で叫びながら。
そして、美波さんの歌っていたかもめはかもめを涙ながらに歌います。
そんなりょーちんに、歌なんてやめろと言う新次さん。
俺は歌なんかでごまかされねぇ! と。
りょーちんは思わず新次さんに寄り添うように置かれていた美波さんの声が遺された携帯を手に取り、壊してしまおうと振り上げます。
耕治さんに止められて思いとどまりますが、この時のりょーちんはどんな気持ちだったんだろう。
父に喜んでほしくて大漁を真っ先に伝えた。
そうしたら結果的に父は母が恋しくなって酒を飲んでしまった。
母のように歌をうたって父を元気づけようとした。
そうしたら父は、「俺は絶対に立ち直らねぇ」と叫んだ。
とてつもない無力感じゃないでしょうか……。
父は母のことを本当に愛していて、じゃあ自分は?
自分の存在は?
自分じゃ父を前を向かせることはおろか、元気づけることすらできないのか?
あの日、あの時、母じゃなくて自分が死んでしまった方がよかったんじゃないか?
そんなことを思ってしまってもおかしくないじゃないか、と思い、涙が止まりませんでした。
辛すぎる切なすぎる……。
だれかりょーちんを助けてあげてほしいです。
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りょーちんはモネの部屋にあった「楽しかったあの頃」の写真を見ています。
そしてとても沈んだ顔をして並んで座っているモネとみーちゃん。
わかります。
そんな顔になってしまうのはわかるんですが、りょーちんを助けてあげてほしいです……。
案の定りょーちんは、モネの試験勉強する時間を奪ったことを謝り、心配をかけたことを謝ります。
シンクロして首を振るモネとみーちゃんに笑うりょーちんですが、そんな無理して笑わなくていいよ、と……。
誰かりょーちんが本音を吐き出せるようにしてあげて!! と思ったら、モネが「りょーちんが謝ることない」と言ってくれました。
それに応えるりょーちんの「うん」という声の響きが……。
いつもどおり優しくて、でもどこかちょっと頼りなくて……。
この一言だけでも、りょーちんの心はちょっと救われたんじゃないかなと思いました。
できるならば、これがきっかけで少しでも気持ちを吐き出せるようになるといいな。
新次さんや大人たちは結構吐き出してるんですよね。
それに対して子どもたちがいっぱい飲み込んでいるように思える。
すごく切ないです。
牡蠣の作業をするみーちゃんに、モネは「みーちゃんはりょーちんと同じ方を見ている。りょーちんも嬉しいと思う」と伝えていました。
それは海に対する思いだったりするんでしょうか。
みーちゃんとりょーちんは、子どもたちの中でも比較的大人たちに寄り添ったというか、そんな感じの動きをしているように思います。
お坊さんになる(予定)の三生くんも今はそうかもしれませんが。
彼らや大人たちの気持ちが今週のサブタイトル「それでも海は」につながるのかもしれませんね。
モネは、きつい言い方をすれば「島から逃げた人」なのかもしれません。
あの日に自分だけ島にいなかった、というのは、当時まだ子どもだったモネには受け止めきれないことだったと思います。
それは決してモネが悪いわけではありません。
むしろ、美波さんを助けられなかった、自分が一緒にいたら美波さんを助けられたかもしれないと思っているであろう新次さんに、モネは近いのかなと思ったりします。
逃げた、つまり、傍観者であるモネが主人公だからこそ、身につまされるものもありますね。
新次さんとりょーちんが寝た後、耕治さんと亜哉子さんは並んで座って話をしています。
無力感を感じている亜哉子さんに「おまえ以外の誰が言っても新次は病院になんて行かなかった。ありがとう」という耕治さん。
普段はダメダメな面が描かれることの多い耕治さんですが、本当にすてきな男性ですね。
亜哉子さんが惚れ込んだのもわかります。
新次さんはこれからもこんなことを繰り返すだろう。
そして耕治さんは、明日からが酒を飲まない1日目にしたらいいと言ってやりたい。
必然的に付き合わせることになるけどごめんな、と。
それを聞いた亜哉子さんは、幼馴染3人だけの問題にしないで、わたしは仲間外れ? といいながら、ぷーっと膨れて見せます。
もしかしたらこんな風にしていたのは、美波さんだったりするんじゃないかなと思いました。
亜哉子さんも前向きで朗らかな、永浦家の太陽のような女性ですが、ちょっとタイプが違うような気がしました。
文句なしに可愛かったですけどね!!
本当にこれからも新次さんはこんなことを繰り返すんだろうなと思います。
アルコールは怖いですから。
でも周りの支えがあれば、少しずつでも変わってくるんじゃないかなと思います。
立ち直らなくてもいいんです。
忘れなくてもいいんです。
新次さんは、自分のペースで、周りの力を借りながら、ゆっくり進んでいけるんじゃないかなと思いました。
「絶対に忘れねぇ!」だか「立ち直らねぇ!」だか、子どものようなことを叫んでいましたが。
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今日までの放送で、大人たちはだいぶ救われたんじゃないかと思います。
後はりょーちんですよ!!!
まだ誰にも打ち明けられないりょーちんの心を誰かすくいあげてください……。
大人たちには無理なんだと思うんです。
まだ子どもを思いやる余裕がない。
だってまだ5年ですから。
でもその5年の間に、どんどん細かく、そして深い傷を負っていっているであろうりょーちんを、誰か助けてあげてください……。
島パートは明日でいったん終わりかな? と思うので……。
せめてモネに吐き出して……。
ところで、モネは有休をとっているんでしょうか?
気象予報士の試験まで?
それなら実家にいるよりも、有休をとってサヤカさんの家にいる方がよっぽど勉強できるんじゃないだろうかと思いました。
今回も試験落ちるんじゃない?
だって合格率5%なんですよね……?
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発売は9月みたいなので楽しみです。
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